日隅一雄・情報流通促進賞2021の大賞には、長野県でミニコミ誌を発行している野池元基さんの福島原発事故に関して電通に委託した事業についての情報公開請求活動および情報発信活動が決定しました。
奨励賞には、沖縄で遺骨収集を継続し遺骨の埋まった地域の土砂が辺野古の新基地建設に使用される恐れを指摘したガマフヤー(代表具志堅隆松さん)と、書籍『地方選 無風王国の「変人」を追う』を執筆した常井健一さんが選ばれました。
特別賞には、Twitterで「#検察庁法改正案に抗議します」と声を上げた笛美さんと、インターネット上で意欲的な討論番組を配信しているChoose Life Projectが選ばれました。表彰式は6月12日に開催いたします。
<大賞>(副賞50万円)
野池元基さん(福島原発事故に関して電通に委託した事業についての情報公開請求活動および情報発信活動)
野池さんは農業を営む傍ら、情報公開請求を精力的に行うとともに、公開された情報をもとに電通の「安全安心PR」の裏側などを明らかにしました。日常的に触れている情報がどのように操作されているのか、どのような形で流通していくのかを明らかにする野池さんの取り組みは、人々の情報リテラシーを高める活動として評価され、大賞に選ばれました。
<奨励賞>(副賞30万円)
・ガマフヤー(代表具志堅隆松さん、沖縄戦遺骨収集活動及びそれに伴う情報収集・発信活動)
ガマフヤーは長年にわたり沖縄戦の遺骨収集活動によって平和教育などを展開し、様々な人々に戦争の真実を伝える活動を続けています。また、ガマフヤーは、遺骨収集活動を通じて、戦没者の遺骨が含まれた土砂で辺野古米軍新基地の埋め立て工事を行う計画があることを突き止めるとともに、ハンガーストライキを行うなどして、この情報を広く日本全国に知らせました。このように、地道な遺骨収集活動及びその中で発覚した情報をもとに、辺野古新基地建設が沖縄戦の死者をも冒涜することを広く明らかにした活動が評価されました。
<奨励賞>(副賞30万円)
常井健一さん(書籍「地方選 無風王国の「変人」を追う」を含む地方選挙取材を通した情報発信活動)
常井さんは地方選挙のリアリティを見事に活写して、読み応えのある「面白い」ルポルタージュにまとめあげました。常井さんは、地道な取材に基づき、普段触れることのない地方選挙の様子を伝えることによって地方自治の重要性や民主主義の本質を伝えるとともに、ノンフィクション作品の楽しさ、重要性を社会に知らしめました。
<特別賞>
笛美さん(検察庁法改正案についてのTWITTER抗議デモ活動)
笛美さんは2020年5月8日に「1人でTwitterデモ #検察庁法改正案に抗議します」などとツイートをしました。たった一人のTwitterデモは爆発的に広がり、政府の検察庁法改正断念につながりました。貴殿のこの活動は、。日常の活動の延長としてメッセージを発信すること、日常的に情報の流通を促進することの重要性を示しました。
Choose Life Project(代表佐治洋さん、時事問題等についての動画配信活動)
Choose Life Projectは、昨年の東京都知事選や検察庁法改正案等社会で議論がなされるべき時事的な問題について機動的に討論会を実施するなど、既存メディアが「できない」「やらない」としたものを、動画配信という目に見える形にして人々に伝え、可能性としての「私たちのメディア」像を示しました。